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介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2018.08.20号
約7割の介護事業所で人材不足
公益財団法人介護労働安定センターは、平成29年度 介護労働実態調査結果を公表した。この調査は、昨年10月に全国の介護保険サービスを実施する事業所から無作為に抽出した17,638事業所を対象にアンケートを実施したもの。有効回答は8,782事業所であった(有効回答率49.8%)。回答労働者数は21,250人、回収率は40.2%。
介護サービスに従事する従業員の不足感に関する質問では、66.6%が不足と回答。前年より4ポイント不足が上昇し、平成25年以降、4年連続して不足感が増加している。「不足している理由」は、「採用が困難である」が88.5%(前年度73.1%)であった一方、「離職率が高い」は18.4%(同 15.3%)と低かった。
介護の仕事をしている外国人労働者については、「いない」が91.4%、「いる」が5.4%であり、今後の活用について「予定がある」が15.9%であった。「予定がある」と回答した事業所のうち、「技能実習生」としての受け入れを考えている事業所は51.9%であった。
介護労働者の就業実態と就業意識調査では、「今の仕事(職種)を続けたい」は53.8%(53.7%)で、「今の仕事(職種)以外で介護職を続けたい」は23.6%(22.5%)。そのうち、「目指す職種」は訪問介護員47.4%(43.1%)、介護職員13.0%(11.4%)であった。昨年同様、訪問介護員を希望する割合がどの職種においても高かった。
「今の勤務先で働き続けたい」は56.9%(56.5%)で、就業継続意向を示す割合が半数を超えている。
義援金に関する税務上の取り扱い
平成30年7月豪雨により甚大な被害を受けた被災地の復興や、被災者支援のために義援金を送った方も多いと思うが、税務上の取り扱いを改めて確認しておきたい。
個人が被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部に対して義援金を支払った場合、その義援金は「特定寄附金」に該当し、寄附金控除の対象となる。この場合、地方公共団体に対する寄附金として「ふるさと納税」に該当し、その寄附金のうち2,000円を超える部分の全額が、寄附を行った年分の所得税と翌年の住民税から控除される(確定申告による場合)。また、ワンストップ特例制度の適用ができる。
法人が被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部に対して義援金を支払った場合は、「国等に対する寄附金」に該当し、全額損金算入となる。
日本赤十字社や、募金団体に対して支払う義援金については、その義援金が最終的に地方公共団体(義援金配分委員会等)に対して拠出されるものである場合、個人・法人ともに上記と同様の取り扱いとなる。ただし、個人が支払った義援金に対して、ワンストップ特例制度は適用されないため、寄附金控除を受けるには確定申告が必要となる。
被災地域の救援活動や被災者の救護活動を行っているNPO法人に対する義援金については、認定NPO法人とそれ以外のNPO法人で取り扱いが異なる。
支払った義援金が、認定NPO法人が行う特定非営利活動に係る事業に関連するものであれば「認定NPO法人等に対する寄附金」に該当し、個人は寄附金控除(所得控除)または寄附金特別控除(税額控除)を選択適用できる。法人は「特定公益増進法人に対する寄附金」として、特別損金算入限度額の範囲内で損金に算入できる。一方、認定NPO法人等ではないNPO法人に対する義援金(国等に対する寄附金及び指定寄附金に該当するもの除く)については、個人は寄附金控除等の対象外となり、法人は「一般の寄附金」として、損金算入限度額の範囲内で損金に算入できる。
なお、被災者(個人)が地方公共団体から義援金を受け取った場合、所得税法上、非課税となる。また、配分を受けた義援金は、資産の損害の補てんを目的とするものではないことから、雑損控除における損失額の計算上、その金額を控除する必要はない。