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介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2017.10.20号
同一建物減算の適用で訪問介護の回数に差異
会計検査院は19日、同一建物減算の適用の有無により、介護保険として利用できる訪問介護の回数に差異が生じていると指摘。保険給付の公平性が確保されていないとして、厚生労働大臣に対し改善を求めた。
有料老人ホーム等に併設・隣接する訪問介護事業所等は、訪問介護に係る介護報酬を所定の単位数の100分の90に相当する単位数に減算されている。この「同一建物減算」の趣旨について、厚労省は、訪問介護を提供する者の移動等の労力が軽減されることを考慮したものであるとしている。
しかし、その結果、「同一建物減算」が適用される場合には、同一建物減算が適用されない場合と比べて限度額単位の範囲で利用できる訪問介護の回数が増加するなど、保険給付の対象となるものが増加している状況となっていると会計検査院は指摘。保険給付の公平性が確保されるようにするために、同一建物減算の適用の有無により介護保険として利用できる訪問介護の回数に差違が生じないようにするための措置を講ずるよう求めた。
「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂
厚労省と経産省は、12日、「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂したと公表した。この重点分野は平成24年11月に策定され、26年2月に改訂。今回、自立支援による高齢者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減の実現を図るため、1分野5項目を追加した。これまでの5分野8項目と合わせ、6分野13項目となった。
重点分野は、これまでの「移乗介助」、「移動支援」、「排泄支援」、「見守り・コミュニケーション」、「入浴支援」に加え、「介護業務支援」が追加され、介護業務に伴う情報を収集・蓄積して、高齢者に必要な支援に活用することを可能とする機器が加わった。
また、「見守り・コミュニケーション」の分野では、「高齢者等とのコミュニケーションにロボット技術を用いた生活支援機器」の項目が新たに加わった。
「つみたてNISA」の口座開設申込が開始
平成30年1月から現行のNISAに加えて、新たに「つみたてNISA」が導入され、平成29年10月から口座開設の申込受付が開始される。
現行のNISAでは、年間120万円を上限として購入した上場株式や投資信託等の配当や譲渡益等が5年間、非課税となる。一方、つみたてNISAは、年間40万円を上限に積立投資で購入した一定の投資信託(公募株式投資信託、ETF)による運用利益が20年間、非課税となる制度だ。
つみたてNISAで投資できる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有する投資信託に限定されており、公募株式投資信託の場合、下記の要件を満たすものが対象となる。
*販売手数料はゼロ(ノーロード)
*信託報酬は一定水準以下
*信託契約期間が無期限または20年以上
*分配頻度が毎月でない
*ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていない 等
購入方法は、累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買い付け(積立投資)に限られており、事前に口座開設した金融機関との間で累積投資契約を締結し、対象銘柄を指定したうえで、「1カ月に1回」「年2回のボーナス月」などの定期的な買い付けを行う。買い付けは、年間非課税投資枠40万円の範囲内で一定金額ずつ行うため、原則として「40万円÷年間の買付回数」が1回当たりの買付金額となる。例えば、「1カ月に1回」の買い付けを行う場合は33,333円が上限となり、「年2回のボーナス月」の場合は20万円が上限となる。
非課税期間(20年間)の終了後は、NISAと異なりロールオーバーはできないため、保有している投資信託は、特定口座や一般口座などの課税口座に移り、その後の利益については課税される。
なお、つみたてNISAを利用するためには、NISA口座が必要となるが、NISAとつみたてNISAは選択制であり、同一年に両方の適用は受けられない。原則として年ごとにNISAとつみたてNISAの切り替えが可能であり、つみたてNISAに変更した場合でも、既にNISAで保有している商品については最長5年間、非課税となる取り扱いは変わらない。