C-MAS東京駅前トップ > 上野税理士法人KAIGOニュース > 2017.09.20号
介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2017.09.20号
高齢者化率27.7%と過去最高
総務省は、「敬老の日」にちなんで、高齢者(65歳以上)のすがたについて取りまとめ、公表した。
総人口が21万人減少する一方、高齢者は57万人増加し、総人口に占める高齢者人口の割合は27.7%と過去最高を更新。90歳以上の人口は、初めて200万人を超えた。
世界と比較すると、平成29年の高齢者の総人口に占める割合は日本(27.7%)が最も高く、次いでイタリア(23%)、ポルトガル(21.5%)、ドイツ(21.5%)、フィンランド(21.2%)と続く。この高齢者化率の推移は、各国とも年々上昇傾向だ。
また、高齢者の趣味・娯楽は、「園芸・庭いじり・ガーデニング」が最も高く、男女別では、「写真の撮影・プリント」、「日曜大工」などが男性に高い一方、「園芸・庭いじり・ガーデニング」、「編み物・手芸」などが女性に高い。
若い世代の利用が多いと思われがちなネットショッピングは、高齢者でも利用が増えており、高齢者世帯がネットショッピングを利用した世帯割合は、平成28年では14.3%と、18年(4.9%)からの10年間で2.9倍となった。
敬老の日にちなんでは、東京都も高齢者人口の概要を公表しており、東京都の高齢化率は23.3%と過去最高を更新。区部の高齢者人口が初めて200万人を突破し、20年前と比べて1.7倍増となった。
民法(相続関係)等の改正に関する追加試案
相続法制の見直しに向けて審議を行っている民法(相続関係)部会は、「中間試案後に追加された民法(相続関係)等の改正に関する試案(追加試案)」を公表し、平成29年9月22日まで意見募集を実施している。
これは、昨年6月に公表した中間試案において、遺産分割に関する見直し案(配偶者の相続分を一定の条件で引き上げる案)に対する反対意見が多数を占めたことから、それに代わる新たな配偶者保護策や、昨年12月の最高裁決定(預貯金債権について遺産分割の対象となる旨を判断)を踏まえた新たな方策を含めたものとなる。主な概要(遺産分割等に関する見直し部分)は以下のとおり。
【配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規定)】
婚姻期間が20年以上である夫婦の一方が他方に対し、居住用不動産を遺贈又は贈与した場合は、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し、遺産分割においては原則、当該居住用不動産の持戻し計算を不要とする(特別受益として扱わずに計算できる)。なお、被相続人が異なる意思を表示している場合には、本方策は適用されない。
【仮払い制度等の創設・要件明確化】
(1)家事事件手続法の保全処分の要件を緩和する方策・・・預貯金債権の仮分割の仮処分について、家庭裁判所は、遺産分割の審判又は調停の申し立てがあった場合に、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権を行使する必要があるときは、他の共同相続人の利益を害しない限り、申し立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部を仮に取得させることができる。
(2)家庭裁判所の判断を経ないで、預貯金の払戻しを認める方策・・・各共同相続人は遺産に属する預貯金債権のうち、「相続開始時の預貯金債権の額×20%×当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分」で計算した額(同一の金融機関に対する権利行使は100万円が限度)については、単独でその権利を行使することができる。
【一部分割】
共同相続人が遺産の一部について、協議により分割できることを明文化する。
ただし、協議が調わない又は協議することができない場合は、各共同相続人は他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合を除き、家庭裁判所に遺産の一部について分割をするよう請求することができる。
【相続開始後の共同相続人による財産処分】
共同相続人の一人が遺産分割前に遺産に属する財産を処分した場合に、処分をしなかった場合と比べて取得額が増えるといった不公平が生ずることがないよう、是正する方策を設ける(以下の2案を提示)。
(甲案)処分された財産も含めて遺産分割をすることができる。(乙案)民事訴訟で償金請求をすることができる。