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介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2017.04.05号
高齢者虐待の調査結果を公表-厚労省
厚労省は、平成27年度の高齢者虐待への対応状況の調査結果を公表した。
介護職員による虐待の相談・通報件数は1,640件(前年1,120件、46.4%増)、虐待判断の件数は408件(同 300件、36%増)で、相談・通報件数、虐待判断件数ともに、調査を開始した平成18年度以降、最も件数が多かった。
虐待の発生要因は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が65.6%で最も多く、次いで「職員のストレスや感情コントロールの問題」26.9%、「虐待を行った職員の生活や資質の問題」10.1%であった。
虐待の種別では、「身体的虐待」が61.4%で最も多く、次いで「心理的虐待」27.6%、「介護等放棄」12.9%であった(複数回答)。虐待を受けた高齢者のうち、「身体拘束あり」は31.9%。虐待による死亡事例は1件あった。
施設・事業所の種別では、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」が30.6%で最も多く、次いで「有料老人ホーム」20.9%、「グループホーム」15.9%。
一方、高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等による虐待については、相談・通報件数は26,688件(前年度25,791件 3.5%増)、虐待判断件数は15,976件(同15,739件 1.5%増)であった。
介護職員処遇改善加算のポイント
最近、お問い合わせの多い介護職員処遇改善加算のポイントを下記に示させて頂きます。
<キャリアパス要件Ⅰ>
・役職などの介護職員が上がることが出来るキャリアアップの階段を設けること。
・その階段毎の賃金を明確にすること。
・賃金を明確にするだけで、昇級の規程は必要無いこと。
・よって、一般職員23万〜28万 班長28万〜32万 主任32万〜36万といった賃金規程で算定可能。
<キャリアパス要件Ⅱ>
・介護職員との意見交換を踏まえた個人目標を立てることと、その記録の保管が必要。
・目標達成のための研修計画を整備すること。
・外部研修日の勤務シフト調整、研修費用の一部助成などの協力体制を明確にすること。
<キャリアパス要件Ⅲ>
・昇級の仕組みを、経験年数、資格、昇級試験や人事評価で明確にすること。
・昇進を伴う昇級は求められていないこと。
・介護福祉士の取得者を雇用した場合も、入社後に昇級がされる仕組みであること。
・非常勤職員も同様に昇級される仕組みである事。正社員限定では不可。
・よって、正社員、非常勤職員双方を対象として、資格手当を設け、単独では不可のため、例えば、介護福祉士手当2000円、社会福祉士手当2000円、ケアマネジャー資格手当2000円などとして、介護福祉士と社会福祉士を持つと4000円、さらに後日ケアマネジャー資格を取ると6000円といった昇級の仕組みを取れば算定が可能となる。非常勤職員は、各手当を一ヶ月の営業日数で割ったものを日給手当として支給することも可能。
<以下、すべて共通>
・上記の内容を就業規則に記載すること。少人数で就業規則の作成義務がない法人のみ、その他の書類で可能。
・すべての介護職員に周知徹底し、その記録があること。
・支給対象は介護職員としての勤務実績があることが必要。
・法人の役員は不可。ただし、使用人兼務役員は、そのことが明確に分かる書類がある場合のみ支給対象となる。
・賃金水準には、非常勤から正社員に変わった場合の給与増額分は含めることが出来ない。
・同様に、交通費も含めてはいけない。
・比較対象年度との比較では、支給人数を同じ人数に合わせる調整作業が必要。
・業績連動型賞与の引き下げも届出が必要。
今年度の届け出は4月15日。就業規則、賃金規程を役員会の承認が必要な場合などは、15日に承認前の規程を届け出て、6月30日までに差し替えが可能。