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介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2016.08.05号
配食事業者向けガイドライン策定を開始
厚労省は、「地域高齢者等の健康支援を推進する配食事業の栄養管理の在り方検討会」を開催。在宅高齢者等の配食事業者向けのガイドラインの作成を開始した。配食については、「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月2日閣議決定)においても、ガイドラインを作成し、2017年からそれに即した配食の普及を図ると示されている。
低栄養傾向の高齢者の割合は、この10年間はほぼ横ばいであったが、65歳以上の人口増加により増加しているとみられる。居宅サービス利用者・家族の約4割が、食事について心配事や困りごとがあると回答しており、具体的内容としては、「食事内容」や「食事の準備や料理」「食事形態」を挙げる人が多い。また、高齢者が普段利用している食事サービスで多いのは、「外食」、「店で売っている弁当やお惣菜」である一方、「利用しているものはない」という高齢者も多い。「配食」を利用している高齢者は4%前後と現状では少ない。
しかし、配食市場規模は、2009年度から2014年度の5年間で1.8倍強拡大しており、今後更なる普及が見込まれている。よって、検討会では、
○配食事業における栄養管理の在り方
○配食を活用した健康管理支援の在り方
○配食の事業内容に係る情報発信の在り方
を主に検討し、本年度末を目途にガイドラインを策定する方針だ。
軽度者への給付縮小を議論
厚労省は20日、介護保険部会を開催。軽度者の生活援助サービスや福祉用具貸与、住宅改修の在り方についての議論を本格的に開始した。
予防給付の訪問介護、通所介護の総合事業が完全移行出来ていないため、検証ができていない中での給付縮小の議論に疑問の声が上がっている一方、制度維持のためにはやむを得ないと言った意見や、生活援助は、人材確保に制約がある中で、専門性に応じた人材の有効活用が出来ていないという指摘もあり、軽度者への給付縮小は、委員の間でも意見が分かれている。
「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」の概要
相続法制の見直しについて調査審議を重ねている民法(相続関係)部会は、「民法(相続関係)等の改正に関する中間試案」を公表し、平成28年9月30日まで意見募集を実施している。本試案の概要は、以下のとおりである。
【配偶者の居住権を保護するための方策】
○配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合は、遺産分割により当該建物の帰属が確定するまでの間、その建物を無償で使用することができる「短期居住権」を新設する。
○配偶者が相続開始時に居住していた被相続人所有の建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその建物の使用を認める「長期居住権」を新設する。
【遺産分割に関する見直し】
○被相続人の財産の形成に対する配偶者の貢献が類型的に大きいと考えられる場合に、配偶者の相続分を増加させるものとする。なお、本試案では、被相続人の財産が婚姻後に一定の割合以上増加した場合、その割合に応じて配偶者の具体的相続分を増やす考え方(甲案)と、婚姻成立後一定期間が経過した場合、その夫婦の合意のもとで、又は当然に法定相続分を増やすという考え方(乙案)の2案を提示。
○その他、可分債権の遺産分割における取扱いの見直し、一部分割の要件及び残余の遺産分割における規律の明確化等。
【遺言制度に関する見直し】
○現行の自筆証書遺言方式を緩和し、遺贈等の対象となる財産の特定に関する事項については自書でなくてもよいものとする。
○自筆証書遺言を作成した者が一定の公的機関に遺言書の原本の保管を委ねることができる制度を創設する。
○その他、遺言事項及び遺言の効力等に関する見直し、遺言執行者の権限の明確化等。
【遺留分制度に関する見直し】
○遺留分減殺請求により、遺贈又は贈与の目的物について当然に共有状態(物権的効果)が生ずるとされている現行の規律を改め、減殺請求によって原則として金銭債権が発生するものとしつつ、受遺者又は受贈者において、遺贈又は贈与の目的財産による返還を求めることができる制度を設ける。
○その他、遺留分の算定方法の見直し、遺留分侵害額の算定における債務の取扱いに関する見直し。
【相続人以外の者の貢献を考慮するための方策】
○相続人以外の者が被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができるようにする。