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介護事業の情報紙「KAIGOニュース」2014.10.05号
社会福祉法人 「余裕財産」を明確化し再投下へ
厚労省は9月30日、社会福祉法人の改革を議論している社会保障審議会福祉部会の第4回の会合を開き、財産運営の規律の考え方を示した。
今まで批判が出ていた内部留保については、確定した定義がない上に、そもそも「余裕財産」を表すものでもない。そこで、事業継続に必要な財産と「余裕財産」を明確に区分し、それぞれの内容を明らかにする仕組みを構築すべきではないかと提案。
また、「余裕財産」について、地域のニーズに対応した新しいサービスの展開、人材への投資、社会福祉に関する「地域公益活動」への計画的な再投下を促す仕組みの構築が必要とした。
そのほか、適正かつ公正な支出管理のために、役員報酬の支給基準の設定や、調達等における親族等特定の関係者への特別の利益の供与の制限、一定規模以上の法人への外部監査の活用による適切な支出管理チェックの必要性も提示されている。
キャリア段位制度 レベル認定者100人に
キャリア段位制度を運営している一般社団法人 シルバーサービス振興会は、9月26日、新たなレベル認定者が33名誕生したと発表。今回のレベル認定によって、レベル認定者の総数は合計100名となった。
都道府県別では、全国33都道府県で認定者が誕生したことになり、レベル認定に取り組む介護職員は、全国47都道府県で2,602名(1,805事業所・施設)にのぼる。
腰痛予防対策チェックリスト
厚労省は、「介護作業者の腰痛予防対策チェックリスト」を公表。自分自身の作業内容や作業環境をチェックすることで腰痛を引き起こすリスクを明確にすることができる。また、職場全体で実施することにより、共通の認識も持つことができる。リスク低減対策例も掲載されている。
民法改正で見直しが検討される消滅時効
民法(債権関係)は1896(明治29)年に制定されて以来、120年間ほとんど改正されていないが、「社会・経済の変化への対応」と「国民への分かりやすさ」を図るため、法務相の諮問機関・法制審議会の民法部会は約5年の審議を経て、抜本的な見直しに向けた改正原案を公表した。これをベースに来年2月の通常国会に法案を提出する予定だ。
改正原案には、消滅時効の見直しや、法定利率の見直し、事業融資における保証人の保護、約款ルールの明記、債権の譲渡禁止特約の効力の見直しなど、多数の項目が盛り込まれているが、例えば、消滅時効制度では、主に債権の消滅時効について大きく見直すことが検討されている。
現行の債権消滅時効では、原則として、「権利を行使することができるときから10年間行使しない」ときに消滅するとされているが、一定の債権については10年よりも短い期間で消滅時効が成立する短期消滅時効制度が規定されており、工事の請負代金や医師の診療報酬などは3年、弁護士の報酬や商品の小売代金などは2年、宿泊代金や飲食代金などは1年となっている。一方、弁護士と同じ士業であっても税理士や司法書士などの報酬には規定がないため、時効は原則の10年になる。
このような職業ごとに定められた短期消滅時効は、フランス民法に由来する規定だが、フランスでは合理的でないとして既に削除されている上、複雑で分かりにくいといった指摘があることから、時効期間の単純化・統一化を行う。
改正原案では、職業別短期消滅時効を廃止するとともに、原則的な時効期間に「債権者が権利を行使することができることを『知った時から5年間』」を加えるとした。現行の「権利を行使することができる時から10年間」は維持し、いずれかに該当する場合、債権は時効により消滅する。
これにより、契約に基づく一般的な債権については、契約時に支払日を認識しているのが通常であることから、支払日から5年間が時効期間となる見込みだ。