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上野税理士法人KAIGOニュース 2011.08.20号
資金繰り改善のポイント
企業経営において、資金が不足する原因は以下の4点に整理出来ます。@収益力の低下、A過大な設備投資、B資金バランスの悪化、
Cその他(不良債権の発生、返済能力を超えた借入金返済など)
資金が不足する可能性があるとき、金融機関からの借入を頼む前に、自社でできる対策を打っておく必要があります。
融資申し込みが通った場合の多くは自力での資金捻出が頭から離れ、また同じことを繰り返すことになりかねないからです。
自社対策の一つはコスト削減です。やみくもに削減するのではなく、変動費割合の高い製造業や卸売業、小売業は、変動費「率」の低下を検討します。
固定費割合の高いサービス業などは、固定費のうち勘定科目別に金額を分析し、「額」で削減を検討します。
貯蓄性のある生命保険に加入していれば、以下の方法で一時的に資金を捻出できます。@解約、A払い済み保険への変更、B保険金額の減額、C契約者貸付
役員報酬の減額は、期の途中で行うことはできず、減額した場合、減額後の報酬は損金として認められず課税対象となります。
しかし、決算期を変更することで、役員報酬を減額することが可能となります。
在庫処分や遊休資産の売却、支払日の見直しも有効です。
また、経営計画を作成する際、損益計算書しか提出しない企業がありますが、損益と資金はワンセットで考える必要があり、以下のものを最低限作成し
金融機関に提出すれば相談にも乗ってくれるでしょう。@損益計算書、A計画貸借対照表、Bキャッシュフロー予定表、C資金繰り予定表(最低6カ月)、Dテーマ別取り組み方針、
E活動計画
公的資金の活用で、資金調達の選択肢を拡げることもできます。
資金繰りの改善は、「経営者の本気」と「従業員の意識改革」が不可欠です。資金繰りの改善手法は上記以外にも数多くあるので、
自社にあった手法を取り入れて資金繰りの心配のない会社にしていきましょう。
労基法での指定取り消しを防ぐために
改正介護保険法が今年6月国会で成立し、来年4月1日に施行される。
労働基準法などの違反で、事業者の指定取り消しにつながりかねないこの法律にどう備えるべきなのか−。
■介護事業所の8割は「経営体質の改善が必要」
日本介護経営研究協会専務理事で介護事業経営研究会(C-MAS)顧問の小濱道博氏によると、次のような質問や意見がよく寄せられるという。
−登録ヘルパーに有給休暇を与えるのは納得できない
−夜勤職員に割増し賃金を払わないといけないのか
−常勤職員の休み時間は何時間と設定すればいいのか
「労基法の知識が乏しいだけでなく、『自分は労基法に疎い』という認識すらないからこその意見や質問。業界の事業所の8割は大急ぎで経営体質の改善に取り組まなければ
ならないでしょう」(小濱氏)
現時点でも、賃金の未払いや最低賃金以上の賃金の不払いといった理由で労基法に触れ、罰金刑を受ける事業者は珍しくない。
■職業安定法や労働安全衛生法も取り消しの根拠に
さらに、解釈通知などの解説を待たないと確実なことはいえないが、職業安定法や労働安全衛生法、また育児・介護休業法などに抵触した場合も指定取り消しにつながる
可能性がある。(小濱氏)
■小規模事業所にまで及び始めた労基署の調査
法改正に合わせ、介護事業者に対する労働基準監督署の監督指導も強化されている。例えば、5/31付けで厚生労働省が都道府県労働局長にあてて出した方針は、
「これまで対象から外れていた小規模な介護事業者にも労基署の調査が行われることを意味する」(小濱氏)
事実、従業員10人以下の小規模多機能型居宅介護の事業所やグループホームなどにも労基署の担当者が出向くようになった。
「これからの介護事業者は、実地指導対策ばかりでなく、労基署や税務署の調査にも対応できるだけのコンプライアンス対策が必要な時代に突入しているのは
間違いないでしょう」(同)
(CB newsより)